ラオスについて

つくば市から約4200㎞離れたところに位置する「ラオス」

日本の本州と同じぐらいの面積に、埼玉県の人口と同じくらいの人たちが暮らしています。 国土の半分以上は森林という自然豊かな国です。

上から時計まわりに中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーと 5つの国に囲まれている、ASEAN10か国唯一の内陸国になります。

首都の中心部にはスーパーマーケットやショッピングモールもあり、 住むには不便しない場所になりました。

ですが、少し郊外に出かければ、牛たちがカランコロンとカウベルを鳴らしながら道を塞ぎます。あちこちの家から、アヒル、にわとり、やぎ、牛 いろんな動物たちの鳴き声が にぎやかです。

夕方の路地裏を散歩すると、薪をくべるにおい、もち米を蒸している甘いにおいがして、 木のまな板を中華包丁でトントンと叩く音が心地よく響いてきます。

「東南アジア最後の桃源郷」「世界一何もない首都」と言われるのも頷けるラオスは、 日本とは遠く離れた国なのにどこか懐かしさを感じられる、 ノスタルジックな雰囲気漂う素敵な国。

南北に流れる雄大なメコン川の流れ、切り立った山々、豊かな自然、 そして「何もしない」を楽しめる穏やかな人々。

原風景とも思えるようなラオスの魅力を、ほんの少し覗いてみませんか。


ラオスの布

ラオスを歩いていると、色とりどりの巻きスカートを纏った女性をあちこちに見かけます。 「シン」と呼ばれる民族衣装は学校で公官庁など公の場の制服としても活躍しています。

「女性のしごと」として家庭や地域でその技術が継承されてきた機織りですが、近年では織り機を置く家が減りつつあります。

50の民族が暮らすラオス。 それぞれが独自のことば、文化、信仰をもち、 民族衣装もそれぞれの民族で形や柄が異なります。

蚕や綿花を育てて糸を紡ぐ。 染料となる植物を育て、自然のもので糸を染める。

その地に口伝で語り継がれてきた物語や詩、宗教を織物の模様で表現する。

丁寧なてしごとで仕立てた布を、日々の生活で身にまとう。

ラオスの女性たちにとって織物は、その地その家の象徴でもあり、 布の背景を知れば知るほど、時間や言葉の壁を越えて、 その民族の文化や歴史と対話しているような不思議な気持になるのです。

このイベントには、ラオスの北部から南部まで さまざまな地方で織られた布の製品が集まります。 緻密に織られた美しい模様、手織りならではの風合い、 それぞれの布がもつ個性を、お楽しみください。


ラオスの食文化

多民族国家ならではの面白さはラオスの「食」にもあらわれます。 日本よりも、「ジビエ」や「昆虫食」との距離が近かったり、 辛い物を辛いソースにつけて食べるぐらい辛いものが大好きだったり。 食材や調理法も地方や民族によってさまざまです。

ラオスの主食はもち米です。竹を編んでつくられた「ティップカオ」から、蒸したもち米を取り出し、 それを手に取って丸めながら、もう片方の手で一口分をちぎっておかずと一緒に食べます。 そして氷を入れたビールでぐいっと流し込むのが、ラオス式ごはんの食べ方です。

土壌が豊かなラオスではハーブやお花もよく育ちます。

家の塀につるを伸ばしている真っ青なバタフライピーの花は、お茶にしたり、 その鮮やかな青をそのまま閉じ込めたゼリーにしたり、もち米と一緒に炊いたり、 見た目でも食を楽しむことができます。

コーヒーもラオスの特色の1つ。 首都や地方都市には、おしゃれなカフェがたくさんあって、 各地で収穫されたコーヒーを楽しむことができます。 ラオスの人の中には 屋台で氷と糖分たっぷりのコーヒー牛乳を買って日常的に愛飲する人もいたりして。

食文化は、その土地の風土をよく表しています。 溶けそうな暑さの乾季にはラオスの食事にぴったりで、 ラオスの”おいしい”を10倍にも100倍にもしてくれます。

うだる様な夏の暑い日、夕方のメコン川ぞいに腰かけて、 向こう岸に揺れるタイの街の明かりを見ながらお気に入りの「おいしい」を堪能する。

そんな情景を思い浮かべながら楽しんでいただければと思います。


語りつくせないラオスの魅力、 見て、聞いて、触って、そして食べて、五感を通じて体験してください。